

ピエール・アレシンスキーは、1927年生まれ。ベルギー出身の画家、イラストレーター、詩人である。1948年、詩人クリスチャン・ドートルモンをはじめとするアーティストたちと、芸術グループ「コブラ」を結成。バロック式表現主義による、抽象と具象の対立関係の超越を目指す芸術運動を推進する。
同時に、アレシンスキーの作品には一貫性があり、デッサン・オートマティック(自動デッサン)の自発性やミステリーの感覚は、ポール・クレーやシュルレアリスム作品から得ている。開放的な画風のキャンバスには、絶えず姿を変貌させるグロテスクな物体の世界が増殖する。
勢いを感じさせると同時に、ユーモアあふれるアレゴリー。1966年ムートン・ロスシルドのラベル用にアーティストが思い描いた「酒飲み牡羊」。ボトルから湧き出ているようだ。