レオノール・フィニは、1908年生まれのイタリア出身アーティスト。当初はラファエル前派およびビアズリーの影響を受ける。その後、シュルレアリスム運動に参加し、ミステリアスな色合いを含むエロチズム、アンドロギュノス(男女両性モデル)、夢幻的風景など、作品中コンスタントに扱われるテーマが確立されていく。
1952年ムートン・ロスシルドのラベルには、小学生のノートに描かれたような若き「女性のような牡羊」。レオノール・フィニにとって、描線の精緻さと上質さによってこそ、我々は日常の世界から夢の世界へと旅立つということが立証されている。