ドロテア・タニングは、1912年生まれのアメリカ人アーティスト。1936年、「ニューヨーク近代美術館」で開かれた展覧会でシュルレアリスムと出会う。その後、マックス・エルンストと知り合い、ふたりは1946年に結婚する。アメリカ合衆国で活動した後、フランスへと移り住み、制作拠点を変えていく中でふたりは周囲を魅了し、交友関係および支持の輪を広げていった。ドロテア・タニングはあらゆる点でシュルレアリスムに忠実で、独創的ファンタスムの趣くままに、妖怪さながらの花々、悪魔の風貌をしてボロ着をまとった少女たちを描いた。演劇やバレエの舞台美術、エッチング、エングレーヴィングなど、多様な分野で才能を開花させたアーティストである。

1965年ムートン・ロスシルドのラベルに彼女が描いた「少女のような子羊たち」のサラバンドは、動きのある夢想的世界が広がる、彼女らしい空想あふれる作品である。