

ジョルジュ・ブラック(1882年〜1963年)は、国際舞台で活躍する巨匠画家たちの中でも、いち早くムートン・ロスシルドのラベルを担当している。ピカソとともにキュビスムの先導者として活躍した。遠近法を排除し、ひとつのオブジェを異なる視点から捉え並置する技法で、絵画芸術における革命を引き起こす。1913年、パピエ・コレ技法の創始により、暗い色彩から脱却し、よりヴィヴィッドなカラーへと転向する。第一次大戦後、ブラックの作品は具象派へと変化を見せる。裸体、水浴びする女、風景、静物画をモチーフとし、曲線を多用した、力のある色彩との調和が特徴的な作品である。彫刻作品やステンドグラス、装飾品の制作においても優れた作品を残している。
1955年ムートン・ロスシルドのデザインは、ラベル実サイズで制作されている。巨匠と呼ぶにふさわしいアーティストの飾り気のない性格どおり、シンプルなタッチで描かれ、この偉大なるヴィンテージに賛辞を呈している。