

ジョルジュ・アルニュルフは、1921年モナコ生まれ。1950年にはローマ賞版画部門で第一等を受賞している。同年、ムートン・ロスシルドのラベルデザインを担当。先コロンブス期芸術に魅了され、1957年から1966年の間、コロンビアに拠点を置く。そこでは教会のステンドグラスや壁画フレスコ画の制作にあたった。その後、フランスへと戻り、絵画を教えながら、膨張感や歪みを特徴とする作品制作に取り組んだ。人間と植物、鉱物、動物が、同じ動きの中にまとめられた構図を特徴とした。
1950年ムートン・ロスシルドのラベルは、厳格さを特徴とする初期の作風に当てはめられる。つまり、はっきり明瞭な描線と几帳面に計算された遠近法を用いて、その中に象徴となる牡羊を配する。版画家の技巧が際立った作品である。