パヴェル・チェリチェフ(1898年〜1957年)は、モスクワ生まれ。キエフ美術アカデミーで学び(1918年)、旅を続けた後、1923年にパリへと拠点を移す。1926年、活動初期に傾倒していた抽象美術との決別。ネオ・ロマンティック主義者らと展覧会を催す。その2年後には、ディアギレフのバレエ「頌歌」の舞台美術および衣装を担当している。それと同時期、シュルレアリスムの活動グループとの関係を強める。戦争初期にはニューヨークへ拠点を移し、そこでタンギー、エルンスト、そしてブルトンと再会。ダリの技法を用い、幻想的ヴィジョンと精密な描線を結びつける作品を制作する。
1956年ムートン・ロスシルドのラベル「La tache de vin(ワインの染み)」では、 人の手で綿密に管理された自然の豊かさが表現されている。伝統のモチーフである牡羊も描かれている。