リチャード・リッポルドは、1915年生まれのドイツ出身アメリカ人彫刻家。当初は工業イラストレーターとして活動していた。1942年頃、アメリカ合衆国での知名度を一躍高めることとなる表現法、線状彫刻(Linear sculpture)を創り出す。真鍮やニッケル、銅の針金を交錯させることで空間を築く手法である。極点から放射状に広がり、膨張型の幾何学的オブジェを形成する。リッポルドの作品は、アメリカの主要美術館はもちろん、リンカーンセンターやサンフランシスコ大聖堂など、権威ある名所建物に展示されている。
1959年ムートン・ロスシルドのラベルでは、彼独自の抽象的表現言語を用いて、ワインの色とブドウの垣根を表現してみせた。