

セザール・バルダッチーニ、通称セザールは、1921年生まれのマルセイユ出身アーティスト。1943年にパリへと移り住む。当時「カッラーラの大理石は高価すぎて、古くなったくず鉄はどこにだって転がっている」と、くず鉄に惹かれる理由を説明しており、新時代の練金師ごとく、それらを芸術的オブジェへと変化させていく。
1960年、「圧縮(コンプレッション)彫刻」作品を発表。当初は車を用い、その後は多様なオブジェを使用した作品を生み出した。
1966年、プラスティックの型と可鍛性の高い素材を用いた作品制作へと転じる。ポリウレタンを使用した「膨張(エクスパンション)彫刻」作品は、現代美術界を代表する作品と評価される。
クリップ、ピン、ナット、1967年ラベルには、ムートン・ロスシルドを取り巻く現代社会のアーティファクト(人造物)が、ユーモラスな構図で描かれている。