

1945年から毎年、ムートンのワインラベルは現代美術家のオリジナル作品で飾られてきました。通常はブドウやワインをテーマとした作品ですが、一部は歴史的出来事を祝したラベルとなっています。1904年4月8日、イギリスとフランスの間で英仏協商が調印されます。 2004年ヴィンテージはこの出来事から100周年という記念すべき年です。当時の英国王エドワード7世による功績は広く知られ、これにより第一次大戦における両国の協力関係が築かれ、常に対立状態にあった二大国家が、以降、結束を強める契機となりました。
英仏関係の歴史において極めて重要なこの出来事を記念し、2004年には両国の国家元首の相互表敬訪問をはじめ、数多くの記念行事が催されました。そこでフィリピーヌ・ド・ロスシルド夫人は、エドワード7世直系の子孫であり才能あふれる画家でもあるチャールズ皇太子殿下ウェールズ公に、ラベル作品制作を願い出ます。皇太子殿下には、ご自身の水彩画作品が、2004年ムートン・ロスチャイルドのワインラベルに飾られることをご承諾いただき、フランスの風景が描かれた作品が選ばれました。そこに直筆で「To celebrate the 100th Anniversary of the Entente Cordiale – Charles, 2004(英仏協商100周年を記念して – チャールズ、2004)」と書き加えられました。
作品に描かれている松の木々は、上部は青空にのび、しっかり深く地面に根をはっています。この松は、太陽と大地に生まれる豊かな結晶であるブドウ樹を象徴しています。