Chateau Mouton Rothschild 2019 label Olafu Eliasson

2019年 シャトー・ムートン・ロスチャイルドオラファー・エリアソンがラベルを飾る

シャトー・ムートン・ロスチャイルドは2019年ラベルの作品制作をアイスランド系デンマーク人アーティスト、オラファー・エリアソン(Olafur Eliasson)に依頼しました。作品タイトル:Solar Iris of Mouton(ソラー・イーリス・オブ・ムートン)

シャトー・ムートン・ロスチャイルドは2019年のラベル作品制作をオラファー・エリアソンに依頼しました。Solar Iris of Mouton(ソラー・イーリス・オブ・ムートン)と名付けられた作品は、自然と芸術、そして科学が交錯する、太陽とワインとの固い結びつきを讃えています。

Solar Iris of Mouton(ソラー・イーリス・オブ・ムートン)は上下2部で構成されています。作品上部は金色に輝く色彩が昼を、深青のニュアンスで彩られた下部は夜を象徴しています。中央にはシャトー・ムートン・ロスチャイルドを表現した丸窓(オクルス)。その周りには楕円が連なり輪を形成し、地球から見た太陽の動きを描いています。地球として描かれた場所、そこはまさにシャトーが位置するポイヤックに他なりません。一番下の弧は1年で昼が最も短い日を、一番上の弧は昼が最も長い日を表しています。

作品上部には「アナレンマ」と呼ばれる八(8)の字型のモチーフが描かれています。これは1年を通してシャトー・ムートン・ロスチャイルドで同時刻に太陽の位置を記録し作成された太陽の軌道です。同時に太陽の周りを公転する地球の動きでもあり、地軸の傾きが太陽の位置の変化を生じさせます。いわばこのアナレンマの形状から、地球の軌跡と時の経過が視覚的に確認できるのです。また、八(8)の字は無限大を示す記号でもあり、2019年ムートン・ロスチャイルドの永遠への誓いとも解釈できます。

オラファー・エリアソン曰く、「Solar Iris of Moutonは、1年を通してシャトー・ムートン・ロスチャイルドでの日出と日没を記録しマッピング(図化)したものです。ぶどう樹の生育サイクルと深い関連性を持つ昼と夜の時刻が細かに記録され、いわば太陽がぶどう畑に記し残したサインとも呼べるでしょう。そこに私たちはぶどうの生育状況や、ワインが生まれた土地とワインとの密接な関わりを知ります。ワインを味わう、それは、土地、土壌、天候、季節、光… それらとつながるということ。ラベル作品の中央にある丸窓(オクルス)から姿を覗かせるワイン。ワインとは、金色に輝く天体、地球、そして空の象徴に他なりません。テロワールというごく狭い地域の特性を表現すると同時に、宇宙(コスモス)を映し出すものでもあるのです」

オラファー・エリアソンにとってワインとは、その年のぶどうが熟した土壌や、ワインが形になるまでに経た 1年、日照状況がもたらす影響、ぶどうの生育サイクルと自然環境との関係性、それらを知る手がかりとなるフィンガープリント(指紋)のようなもの。

オラファー・エリアソンは1967年生まれ。デンマーク・コペンハーゲン王立芸術アカデミーで学び、現在はドイツ・ベルリンを拠点に活動しています。自身の名前を冠したスタジオは、建築家や美術史家を中心としたマルチディシプリナリーなチームでのアート活動を特徴としています。彫刻作品、絵画作品、写真、フィルム映像、デジタル作品と、表現ツールは多岐にわたります。彼の作品は世界有数の著名アートスペースにて展示されており、2003年にはヴェネツィア・ビエンナーレのデンマーク代表アーティストに選ばれています。2016年にはヴェルサイユ宮殿での展覧会用に、鏡や光、霧や水を効果的に活用し、移ろい変化する感覚を増幅させるシリーズ作品を発表しています。

ジュリアン・ド・ボーマルシェ・ド・ロスシルド(シャトー・ムートン・ロスチャイルド共同オーナー、ワインラベル制作サポート担当)は以下の説明を加えています。「私自身、随分前からオラファー・エリアソンの作品に魅了されてきました。特に2016年にヴェルサイユで開催された展示に衝撃を受け、以来、ご本人の承諾が得られれば、オラファー・エリアソンをいつの日かシャトー・ムートン・ロスチャイルドのアーティストとしてお迎えしたいとの思いを募らせてきました。彼の作品は物事の核心を捉えています。ムートン・ロスチャイルドの作品も核心を突くものです。時間、季節の移り変わり、すべての中心に太陽があります。今回はダイアグラム(図式)を用いた作品です」

フィリップ・ド・ロスチャイルド男爵の意を継ぐ一族は、常に芸術とともに歩んでまいりました。シャトー・ムートン・ロスチャイルドは現代芸術界の巨匠アーティストたちと長年にわたり親交を深めています。1945年以来、シャトー・ムートン・ロスチャイルドのワインラベルには毎年異なる現代画家の作品が飾られ、今では錚々たるアーティストが名を連ねる、極めて魅力的なコレクションが形成されています。ダリ、セザール、ミロ、シャガール、ピカソ、ウォーホル、まさに時代を象徴する著名アーティストたち。その多くが実際にシャトー・ムートン・ロスチャイルドを訪れ、滞在をお楽しみになられています。現在、シャトーに併設する「芸術とワインラベル展示スペース(Salle de l’Art et l’Etiquette)」ではラベルを飾る作品の原画をご鑑賞いただけます。

error: Content is protected !!