Xu Bing Chateau Mouton Rothschild 2018 vintage label

2018年シャトー・ムートン・ロスチャイルド徐冰(シュ・ビン)がラベルを飾る

1945年以来、シャトー・ムートン・ロスチャイルドのワインラベルには、毎年異なる有名アーティストによって自由な表現手法で生み出されたオリジナル作品が飾られています。

シャトー・ムートン・ロスチャイルドのオーナーである、フィリップ・セレイス・ド・ロスシルドカミーユ・セレイス・ド・ロスシルド、そしてジュリアン・ド・ボーマルシェ・ド・ロスシルドは、2018年ヴィンテージのラベル作品制作を中国の現代美術家・作家、徐冰(シュ・ビン – Xu Bing、1955年生まれ)に依頼しました。

2018年ヴィンテージのために制作された作品は、「Square Word Calligraphy(英文四角字書法)」としてアーティスト自身が示した、見せ掛けの壮麗さをテーマとする制作思想を如実に投影したものです。描かれている文字は一見すると中国伝統の漢字を思わせますが、実はラテン文字を組み合わせた創作漢字です。いわゆる表意文字の文字体系に語(word)を吸収させるこの書法を用いて、徐冰は独自のランガージュ(ことば)を新たに創り出します。

2018年のラベルに描かれたふたつの文字は「Mouton Rothschild」と解読できます。異文化間の友愛が息づいています。

How to read “Mouton Rothschild” © Xu Bing Studio

2018年ヴィンテージは、シャトー・ムートン・ロスチャイルド最高傑作との呼び声もすでに高く、並はずれた仕上がりです。濃厚な色味、優れたタンニン・ストラクチュア、濃密さ、ビロード感、そして他に類を見ないアロマの凝縮が実に印象的です。

ラベル制作にあたっては、傑作ヴィンテージにふさわしいアーティスト選びが望まれました。独創的なスタイルであることはもちろん、シャトー・ムートン・ロスチャイルド同様に個性あふれる作品、グランクリュ同様に時を超えて生き続ける作品を生み出すアーティストが求められました。

「徐冰の作品に出会い、表徴を生み出すという天才的創造力と、詩的表現力の強さに胸を打たれました。考えてみるとムートンのラベルも表徴です。アート作品がひとつの年を表しているではないですか。ムートンでは1973年ヴィンテージのことを「ピカソのムートン」と呼ぶように、2018年は「徐冰のムートン」と呼ばれることでしょう」- ジュリアン・ド・ボーマルシェ・ド・ロスシルド

徐冰は最も影響力のある中国現代美術家と評されます。北京中央美術学院の版画科で学を修め、幼い頃から書道を嗜んできました。ロンドンの大英博物館、ワシントンD.C.のアーサー・M・サックラー・ギャラリー、ニューヨークの近代美術館およびメトロポリタン美術館など、彼の作品は世界有数の著名アートスペースにて展示されています。「Book from the Sky(天書)」「Phoenix(不死鳥)」「Background Stories」など、彫刻作品および大型インスタレーションが特に有名な代表作として挙げられます。

「シャトー・ムートン・ロスチャイルドと芸術作品との密接な関係については前々から存じ上げていました。2013年には、バロネス・フィリピーヌ・ド・ロスシルド夫人にご招待いただき、ムートンを訪問する機会にも恵まれました。夫人のエネルギー、温もりあふれるお人柄、そして芸術への造詣の深さに大変感銘を受けました。ムートンのラベル作品をいつの日か制作くださいとのお声もいただきました。ですから、ジュリアン・ド・ボーマルシェ・ド・ロスシルド氏から2018年ヴィンテージのラベル作品制作の依頼を受けた時には、名誉に思うと同時に、作品を献呈する機会が与えられたと感じました」- 徐冰(シュ・ビン)

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