2006年は驚きの多かった1年で、通常とは異なる天候条件の年として記憶に残るでしょう。
全体的に乾燥傾向で高い気温を記録したヴィンテージで、6月、7月、9月の気温は平年の気温をはるかに上回りました。ブドウ樹の生育サイクルにおいて鍵となる時期に異例の天候に見舞われたことで、その後の果実の品質向上に極めて有益な効果が得られています。
冬の終わりにはかなりの降雨があり、その後は高温かつ乾燥した天候が4月、5月、6月まで続いたことで、シーズン始めに取った遅れを挽回することが出来ています。花の時期は早期に始まり、5月末に集中しました。開花と同様に、着色もかなり早期でした。ただ、7月後半は猛暑となり、着色進度には衰えが見られています。
果実成熟に関しては、8月の天候はより涼しく成熟進度に衰えが見られました。9月前半からはとりわけ素晴らしい天候に恵まれ、9月初旬の猛暑日も相まって、果実熟度は上昇しました。
収穫は9月20日に開始され、変わりやすい天候の中、10月5日まで作業を行いました。ブドウは完熟に達しており、優れた衛生状態での収穫となりました。
テクニカルノートチェリーレッドの美しい外観。濃さと暗さが備わっている。
カベルネ・ソーヴィニヨンを主要品種とし、シャトー・ムートン・ロスチャイルドのアッサンブラージュでは、複雑かつ濃厚なアロマパレットが特徴的。ブルーベリーを思わせる果実のノートとミルクっぽさのあるアロマが交じり合う。程よい樽香からくる焦焙系のほのかな香りが加わり、黄タバコ、お香、煎ったヘーゼルナッツのアロマが感じられる。
アタックには精度の高さと調和が備わり、噛みごたえのある風味豊かなタンニンへと続く。口いっぱいに広がる風味、クリームのようななめらかさとともに勢いがある。2006年シャトー・ムートン・ロスシルドは、「秀逸でクラシックな」ムートンのワインと評される。
ラベル作品担当
ルシアン・フロイド (1922〜2011)
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