Gerhard Richter Chateau Mouton Rothschild 2015 label

ゲルハルト・リヒター GERHARD RICHTER

ゲルハルト・リヒターは1932年生まれ。1951年、ドレスデン芸術アカデミーで学を修め、旧東ドイツにて壁面デコレーターとして活動を始めます。西側を訪れた際、自由を謳歌するアーティストたちと出会い、1961年3月にデュッセルドルフへ亡命。1983年以来、ケルンを活動拠点としています。独創的で、複雑でありながら親しみやすい彼の作品は、早くから世界的に高い評価を得ました。テート・モダンをはじめ、ポンピドゥーセンター、ニューヨークのMoMA、そしてバーゼルのバイエラー財団美術館… 世界の有名美術館にて展示されています。特にドレスデンのアルベルティヌム美術館では、3部屋の展示室にてリヒター作品を紹介しています。また、ヴェネツィア・ビエンナーレの金獅子賞や高松宮殿下記念世界文化賞など、数々の名誉ある賞を受賞しています。

リヒターの作品制作の根底には、絵画と写真、具象と抽象との間に築かれる対話的関係への関心があります。独自の「ぼかし」を用いて、人物、静物、風景を描く彼の「フォト・ペインティング」は有名ですが、同時に、超絶技巧を駆使して写真技術のあらゆる可能性を引き出す、アブストラクト・アートの巨匠としての地位も確立しています。

常に進化を遂げるアーティスト、ゲルハルト・リヒター。特に2011年には「Flux」と名付けられた、偶然に任せつつ、かつ巧妙に練り上げられたガラス・ペインティング技術を完成させます。プレキシガラス板にエナメル塗料を塗りひろげ、それをもう1枚のガラス板で挟みつぶすと、予期せぬ構図が生み出されます。最後に2枚のガラス板を重ね合わせ固定します。それまでのリヒターは、移ろう色彩を観察し、構図と調和する動きを見せたそのタイミングでそれらの色彩を写真に収める手法を取っていました。ムートンのラベル作品にはこちらが採用されています。

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