2005年ヴィンテージは、天候において非常に特殊な年として記憶に残るでしょう。気温は過去40年の平均を若干下回り(-0.3℃)ますが、これは夜間の気温が平年よりも低かったことに因ります。
4月から9月までの期間はとりわけ乾燥した天候が続き、年始から収穫までの降水量は、平年602ミリメートルのところ、この年は313ミリメートルに留まりました。
このような異例の天候条件に関わらず、ブドウ生育サイクルは通常どおりに進みました。開花はブドウ品種3種とも6月5日頃、着色は数日早めの8月1日から8月8日の期間に広がりました。収穫は9月21日から10月6日、最適と評してよいコンディションのもとで行いました。
異例といえる旱魃の影響もあり、収量は控えめでしたが、収穫されたブドウは力強く上品なタンニンをたっぷり含んでいます。その品質から、1976年、1982年、1995年を自ずと彷彿させるヴィンテージです。
テクニカルノート暗さと濃さのある美しい外観。未だ若さが見られる。
エレガントで複雑性の高い香り。ほのかな樽香や焦焙系ノート、バニラの香りが、濃縮した野生のベリー系果実のノートと交ざり合う。メンソールおよび各種スパイスのノートもアロマパレットに加わり、瑞々しさとともにこのワイン特有の魅力を形成している。
味わいには力強さと芳醇さが共存し、果汁感があり風味豊かで密度のあるタンニンを含む。そこに凝縮したカシスやブラックベリーのノートが加わわることで、馥郁たる味わいのワインに仕上がっている。
後味は余韻が長く、ほのかな甘み感を含み、熟したカベルネ・ソーヴィニヨンの特有の豊かな表現を含む。ポイヤックの偉大なヴィンテージに見られる特徴である。
ラベル作品担当
ジュゼッペ・ペノーネ (1947〜)
天候条件