この年の特徴は天候のコントラストです。1月から3月にかけては非常に雨が多く、対して、4月から9月にかけては気温も高めの見事な好天が続きました。
植物生育サイクルは平年比7日ほど早めのスタートを切りました。メルロの萌芽は3月23日、カベルネ・ソーヴィニヨンは3月30日に記録されています。
このような状況下、ブドウ樹は早期かつ均質に生育し、開花は極めて均質に、平年比5日ほど早めに進みました。6月になると旱魃傾向が見られ始め、7月には本格化します。猛暑日が28日間続き、6月20日および6月25日には37℃にまで気温が上昇しています。記録的暑さでした。
着色中間期は、品種に応じて8月9日から8月12日の期間に記録されています。8月末の段階で、ブドウ樹の状態や果実の熟度から、極めて上質なヴィンテージが期待されました。9月頭には幾度かの雨がありましたが、ブドウの高い品質ポテンシャルに影響はなく、非常に良好なコンディションのもとで収穫作業を行いました。
テクニカルノート暗さと濃さのある外観。
香りはシンプルではあるが、同時に精度が高く高貴さが感じられる。アロマパレットは、主に煮詰めた果実や砂糖漬け果実で構成されており、オードヴィー漬け果実へと広がりを見せる。
味わいには瑞々しさと複雑さを兼ね備え、砂糖漬け果実のアロマをリコリスの風味が引き立てる。濃密でたっぷりとしたタンニンを含み、未だにしっかりとした骨組みを感じさせるワイン。果実の風味が広がり、後味には長い余韻と温かみがある。
非常にエレガントなヴィンテージで、数年後にピークを迎えるだろう。
ラベル作品担当
アントニ・タピエス(1923〜2012)
天候条件