ブドウ品種3種類とも、開花は5月25日から均質に始まりました。花の時期は短期間で進み、6月頭には終了しています。過去30年平均比8日ほど早めとなっています。1999年の春および夏の気温はかなり高めで、季節平均を一律上回っています。
着色中間期は、平年よりも3〜6日ほど早めで、メルロは8月4日、カベルネ・ソーヴィニヨンは8月7日に記録されています。8月末の段階で記録された気温は、過去30年の平均気温より1℃ほど高い数値を示しています。このような天候のもとでブドウは順調な生育を見せましたが、ブドウの勢いが良く、通常は5〜6回で済む摘心作業を8回行う必要がありました。
7月および8月は平年より比較的多湿な月でした。通常はこの2ヶ月の平均降水量は107ミリメートルのところ、この年は169ミリメートルを記録しています。特に7月27日、8月2日、6日および18日の雷雨に因るところが大きいです。畑では水はすぐさま低地へと流れたので、この降雨による定期的雨のような影響は出ていません。8月20日からは好天の日が続き、良好な果実成熟が得られています。ブドウは上質で、潜在アルコール度数も高め。加えて糖分と酸のバランスも完璧でした。アントシアニン値も極めて高く、特にメルロの一部の区画では偉大なるヴィンテージの誕生が予測されました。
畑全体で摘房および除葉作業を行っています。収穫は、曇天と明るい好天が交互に訪れる天候のもとで行ない、色素およびタンニンを豊富に含んだブドウを、健全な衛生状態で収穫することが出来ました。
テクニカルノート暗さのある美しい赤色。
香りは非常に豊かで、小粒赤果実(ブラックベリー、カシス、グリオット種チェリー)を思わせる香り。その他、煎ったヘーゼルナッツやアーモンド、スミレ花、ほのかなバニラのアロマを含んでいる。味わいには丸みがあり芳醇。ストラクチュアは心地よく、タンニンは十分なめらか。味わい中盤には、果実、キルシュのノートが広がり、樽香と調和良く溶け込んでいる。
後味にはたっぷりとした風味が長く続き、このワインの高貴さと存在感が堪能出来る。
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