ジェラール・ガルースト (GERARD GAROUSTE)

フランス絵画界の重鎮アーティスト、ジェラール・ガルースト。世界のアートシーンでも独自の地位を築いています。1946年生まれ。フランス・ノルマンディーとパリに拠点を構えながら活動を展開しています。1965年から1972年までパリ国立高等美術学校で学び、ギュスターヴ・サンジエに師事。

1977年にはクラブ「ル・パラス」にて、自ら脚本・演出・舞台装飾を担当した『Le Classique et l’Indien』を上演。なお、1982年まで、同クラブの展示デザインおよび美術担当アーティストとして活躍しています。

1980年、具象的、神話的、寓意的作品を集めた初の展覧会をパリのデュラン・デセール画廊にて開催。これを機にフランス国内外から高い評価を得るようになります。

1980年代にはアメリカ人画商レオ・カステリに見出され、ガルースト作品は世界各地(米国、日本、ドイツ、南米、イタリア)のアートスペースで展示され、パリの国立近代美術館(ポンピドゥー・センター)や市立近代美術館、ウィーンのルートヴィヒ財団近代美術館(MUMOK)をはじめとする、多くの有名美術館に収蔵されています。

1991年には「La Source Garouste協会」を設立し、以来、困難を抱える子ども・青少年をアート活動を通じて支援する活動に精力的に取り組んでいます。

ジェラール・ガルースト特別展の開催リストは以下のとおりです。デュッセルドルフ美術館(1989年、ドイツ)、アムステルダム市立美術館(1989年、オランダ)、ウィーン・ルートヴィヒ財団近代美術館(1992年、オーストリア)、ヴィラ・メディチ/在ローマ・フランス・アカデミー(2009年、イタリア)、マーグ財団美術館(2015年、フランス)、モンス美術館(2016年、ベルギー)、国立近代美術館/ポンピドゥー・センター(2022年、フランス)また、パリ・エリゼ宮やエヴリ大聖堂、ナミュール劇場(ベルギー)、モンス市庁舎(ベルギー)、ノートルダム・ド・タラン教会(ディジョン、フランス)、パリ・シャトレ劇場の緞帳など、公共施設への作品受注に数多く対応してきました。

2009年にはジュディット・ペリニョン(Judith Perrignon)との共著、『L’intranquille : Autoportrait d’un fils, d’un peintre, d’un fou』を出版。反ユダヤ主義の実父との確執、精神障害との戦い… 自らの体験を赤裸々に綴った同書は発売当初から大きな注目を集めました。

ガルーストはその他にも『Don Quichotte』(Editions Diane de Selliers)や『La Haggada aux quatre visages』(Editions In press、Rivon Krygier 訳)、『La Méguila d’Esther』(Hermann Editeurs)、『Tal la rosée 』(Daniel Sibony)、『Dieu prend-il soin des bœufs ?』(Patrick Modiano)、『Le débat du cœur et du corps』(François Villon)、『Walpurgisnachtstraum』など、美術書や聖書関連書籍に多数の挿絵を提供しています。

2017年にはジョルジュ・マチューの後任としてフランス芸術アカデミー会員に選出されています。また、2019年にはフランス国家功労勲章コマンドゥールを受章しています。

ガルーストは「イメージと言葉を解読する」作業に徹し、文化の根底をなすもの、過去の巨匠らが残した価値や神話について強い関心を抱いてきました。また、ものごとの起こりや歩んだ歴史、それらを継承する行為そのものについて常に問い続けてきました。様々な思考の組み合わせから生まれる彼の絵画作品は、時に不気味で、時に陽気で、時には空想上の動物やデフォルメされた人物で埋め尽くされています。旧約聖書や大衆文化のほか、セルバンテスからラブレーまで、文豪たちの名作文学の数々… ガルーストが扱うテーマの出典は実に多岐にわたります。

2000年以降、ガルースト作品はギャラリー・テンプロン(パリ、ブリュッセル、ニューヨーク)で取り扱われています。

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