天候面からいうと、ポイヤックにおける2016年は、以下2部に分割できます。

– まず、極めて多湿だった冬と春。年始の４ヶ月たらずで平均年間降水量の半分以上の数値を記録し、特に1月の降水量は240ミリメートルと異例の多さでした。
– 次に、極めて乾燥した夏と秋。目立った降雨はなく、年末には水不足の状態に陥りました。

このように乾燥した夏季の天候の影響を受け、ブドウの粒数は多めでもサイズは小さいままで、結果、濃厚で凝縮した風味の果実が得られています。

8月および9月は最適な気温に恵まれ、ゆっくりと上質な果実成熟が得られました。収穫は9月26日にメルロからスタートし、絶好のコンディションのもと、10月14日まで続きました。

醗酵に関しては、これまでどおり、区画ごと、ブドウ品種ごとに作業を行ない、それぞれの特性を最大限に輝かせるよう努めています。

ワインのアッサンブラージュは終了し、素晴らしい色調、果実およびスパイスの濃厚なアロマ、そして濃醇で丸みのあるタンニンを含む密なテクスチュアが兼ね備わった仕上がりです。

2016年は、その濃密さと肉づきの良さから、21世紀が生んだ偉大なるヴィンテージの数々と肩を並べることになるでしょう。