2003年は、夏シーズンの極度な猛暑と全体的に早熟だった年として記憶に残るでしょう。
寒く乾燥した冬を経て、春になっても降水量は少なめで、過去40年平均比マイナス37%という数値を記録しています。8月にはしばしば気温は40℃を超え、記録的暑さとなりました。降水量は季節平均を下回っています。
それでも、ブドウ樹の根は土壌下層部深くにまで伸びており、深刻な水分欠乏に悩まされることはありませんでした。
このような天候条件のもと、9月15日から25日の期間、色、タンニンともに十分な、健全な状態のブドウが収穫出来ています。
テクニカルノート濃さのある外観のワイン。美しい赤色の光沢。
香りは、トーストパンの上品なノート、モカやカカオの香りが広がり、それらにバニラの芳ばしいノート、ちょうど良い樽香が交じり合っている。
アタックには丸みがありしなやかで、上手く包み込まれたなめらかなタンニンを含んでいる。味わいの中盤では、繊細さのある、上品で上質な織りが感じられる。キャラメルや赤果実リキュールの風味によって、含み香には心地良さが加わわっている。
後味は、風味高く余韻も長く、豊かさがあり溶け込んでいる上質な要素と、良く熟した果実味が上手く交じり合っている。異例の天候条件の中から生まれた同ヴィンテージの特徴が十分にあらわれているワインである。
天候条件