ムートン・ロスチャイルドの新醸造庫は、ムートンのワイン造りにおける、新たな歴史の幕開けです。ハイクオリティな技術革新を追求した設備で、メドックに伝わる建築様式および建材を今に伝える建物デザイン。全長約70メートル、上下階はエレガントな鉄の柱で繋がれています。木と鋼、ふたつの素材が美しく調和する空間が広がります。オーク材の木製タンクを使用する「ムートン式」の伝統は今なお健在です。44基の木製タンクの他、20基のステンレスタンクを設置しています。
新たなムートンの歴史の幕開けを意味する、ハイクオリティな技術革新を追求した重力式醸造庫
上下階はエレガントな鉄の柱で繋がれている。木と鋼、ふたつの素材が美しく調和する空間。オーク材の木製タンクを使用する「ムートン式」の伝統は今なお健在。
様々な容量のタンクを備え、ドメーヌの各区画に対応。収穫時の果実厳選のみならず、ワインのアッサンブラージュにおいても状況に応じた最適化が可能。
Philippe Dhalluin, Technical Manager「収穫ごとに、ムートン・ロスシルドでは、各区画の能力とそこに植えられている各ブドウ品種の精髄を具現化するための努力を惜しみません」テクニカル・ディレクター、フィリップ・ダリュアン
ブドウ果実本来のクオリティを損なわないよう、新醸造庫は重力式という特徴を備えています。つまり、選果および軽めの破砕後、ブドウ粒は自然の重力によってタンクの中へと落とされ詰められます。木製およびステンレス製タンクは、ムートン・ロスチャイルドに長年伝わるワイン造りを尊重した機材です。容量の異なるタンクを数多く備え、ブドウ品種ごと、マイクロパーセル(小型区画)ごとの醸造作業が可能です。これにより、収穫時の果実厳選のみならず、ワインのアッサンブラージュにおいても、状況に応じた最適化が可能です。タンクの材質はオーク材。フランス国内の最上質の森林で育つ自然素材です。ワインに呼吸を与え、醸造作業を効果的に進めることが出来ます。
果汁をワインに変化させる作業は、複数の工程に分けられます。破砕、これはブドウ粒が含む果汁を流出させる工程で、ブドウ果皮に含まれる酵母はその果汁内で繁殖します。次に醗酵のスタートです。酵母は糖分を徐々にアルコールへと変化させます。同時に、ブドウ果皮に含まれる色素およびタンニンが醗酵中の果汁に移行し、その年のワインの色および骨格を決定します。そして、マロラクティック醗酵により酸量が自然に減少し、ワインに仕上がります。