Miquel Barcelo etiquette millésime 2012

ミケル・バルセロ

ミケル・バルセロは、スペイン・カタルーニャ出身の画家・彫刻家。1957年、マヨルカ島のフェラニチ村に生まれ、故郷の島にあるパルマ装飾芸術学校で学ぶ。当初は抽象表現主義に傾倒し、より具象的な絵画作品制作へと転向。1980年代には、イヴォン・ランベールやレオ・カステリなど大手ギャラリーや、ボルドー現代美術館(CAPC)をはじめとする各地美術館からの支持を得て、国際舞台へと活動の場を広げる。1988年からは繰り返しアフリカを訪れ、彫刻やセラミックの基礎を学びながらインスピレーションの源や表現技術を新たにし、数多くのクロッキーを制作している。1995年以降、実に多数の作品を発表。パリにアトリエを構え、1996年にはパリ市立近代美術館にて展覧会を開催。2004年にはルーヴル美術館にて水彩画展を行っている。
2003年にはアストゥリアス公フェリペ王太子賞を受賞。パルマ大聖堂の祭壇壁画を担当し、スペイン国王フアン・カルロス1世によって作品除幕式がとり行われた。

スイス・ジュネーヴのパレ・デ・ナシオン(国際連合事務局)の丸天井装飾も彼の作品である。ベネチア・ビエンナーレではスペイン代表に選出され、2010年にアヴィニヨンおよびパリで開催された展覧会「Terra Mare」は大きな賞賛を得ている。常に柔軟な感性を備え、変幻自在なアーティストで、濃厚な彩色を主体とした、現実的でありつつも幻想的な世界を表現する。多種多様なマテリアルやカンバスを用い、絵画作品を凹凸感のある平面彫刻へと変化させる。動物描写や先史時代の洞窟壁画に強い関心を持ち、フランス・ショーヴェ洞窟の学術委員会メンバーに名を連ねている。
2012年ムートンのフレスコ画は、近年のインスピレーションを受けた作品といえる。シャトー伝統のエンブレムを現代風に蘇らせる。向かい合わせにシンメトリーの構図で描かれた2頭の牡羊は、グラン・ヴァン特有のバランスとハーモニーを想起させる。自然の恵みであると同時に、造り手の技量が試される匠の技そのものである。

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