シャトー・ムートン・ロスチャイルド 2008

シャトー・ムートン・ロスチャイルド 2008

天候条件

2008年は特に不安定な天候の年として記憶に残るでしょう。
冷涼かつ多湿な春を経て、6月にはこの季節らしい天候が戻りましたが、ブドウ生育サイクルにはこの時点で既に遅れが見られていました。
7月に入りようやく日照量も増え、乾燥した天候が続きましたが、8月には再び十分とは言えない天候となり、ブドウ畑ではさらなる管理作業が必要とされました。

9月前半は日照量不足に悩まされ、難しいヴィンテージが予測されました。
幸い9月14日からは素晴らしいインディアンサマーに恵まれ、10月20日まで絶好の好天が続いたことで状況は一変します。

収穫前にこのような好条件の天候に恵まれたことで、アルコール度数は高まり、フェノール成分の上質な成熟を得ることが出来ました。
この好天を存分に享受して、最適熟度を得た果実を収穫するため、収穫作業は10月2日から10月15日と遅めにスタートします。結果、健全な衛生状態の上質なブドウ果実を収穫することが出来ています。

2008年ヴィンテージは、栽培から醸造まで非常に手間の掛かる、忍耐を要する年でした。結果、この異例のヴィンテージからは、極めて優れた品質のワインの誕生が期待出来ます。

テクニカルノート

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  • 収穫期間
  • 10月2日〜10月15日
  • アッサンブラージュ
  • カベルネ・ソーヴィニヨン 83%
    メルロ 17%
テイスティングコメント

再びカベルネ・ソーヴィニヨンを高い比率で用いたアッサンブラージュ。この年のシャトー・ムートン・ロスチャイルドは、テイスティング全段階にわたって、非常に豊かなアロマパレットを特徴とする。

最初は濃さのある巧く開いた香りが楽しめる。赤果実、ブラックベリー、カシス。そこに、スミレの花などフローラル系のノートが調和良く交じり合う。エアレーション後には焦焙系のノートがあらわれ、繊細なスギのノートと優美に絡み合う。

味わいは、アタックには勢いと活力があり、骨格の良さとビロードのようになめらかなタンニンを含む。黒果実を特徴とする果実味が顕著で、トースト香やほのかに芳しいバニラのノートがアクセントになっている。余韻の長さも素晴らしい。

2008年は、ブドウ畑から醸造に至るまで、偉大な品質のワインを造り出すために必要とされる様々な要素を自然から授かるのに、一層の時間を要したヴィンテージといえる。

ラベル作品担当

徐累/シュ・レイ (1963〜)

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