シャトー・ムートン・ロスチャイルド – 1983

シャトー・ムートン・ロスチャイルド – 1983

天候条件

非常に乾燥した、かつ比較的温暖な1月から冬はスタートしています。2月に入ると寒さは厳しさを増し、霜や雪の時期もありました。3月末には何度か降雨があり、それでも全体としては乾燥傾向の冬でした。

萌芽は、メルロおよびカベルネ・フランは3月25日、カベルネ・ソーヴィニヨンは4月7日に記録されています。4月になると雨が増え、平年比2倍近い降水量を記録しています。雨天は5月いっぱい続きました。(この年の5月は1962年以来の多湿な月で、降水日数22日、122ミリメートルを記録しています。)

6月は非常に乾燥した天候が続き、この月の降水日数はたったの1日。おかげで開花は均質に進みました。開花中間期はブドウ品種3種とも、6月16日に記録されています。7月および8月は非常に暑く、まとまった雨を伴う雷雨に何度か見舞われました。果実成熟は通常どおりに進み、着色中間期はブドウ3種とも8月20日に記録されています。9月に入ると何度か降雨があり、その後はすぐさま高気圧が停滞し、秋口は文字通りのインディアンサマー。見事な好天の日が続きました。因って、素晴らしい果実の成熟が得られています。病害の繁殖リスクの高い天候条件ではありましたが、適確な対策を随時取ることで、収穫ブドウの衛生状態も健全に保たれました。

テクニカルノート

ワインラベルを見る
  • 収穫期間
  • 10月3日〜10月11日
  • アッサンブラージュ
  • カベルネ・ソーヴィニヨン 75%
    メルロ 15%
    カベルネ・フラン 8%
    プティ・ヴェルド 2%
テイスティングコメント

濃い真紅の鮮やかな外観、若干レンガ色が見られる。 香りは上質で瑞々しさがあり、各種スパイス、カカオやキャラメル、コーヒーの澱、メンソール系のノートを含んだ、実に表現豊かなアロマが特徴的。

アタックはたっぷりとなめらかで、高貴で丸みのあるタンニンを含む。黒果実やお香、スギ、黄タバコ、ペッパー系のノートなど、多種多様な香りと風味が広がる。このヴィンテージからは、長い余韻と芳醇な味わい、馥郁たる香り表現はもちろん、果実の凝縮性と優れたバランスを魅力とするワインが生まれている。

ラベル作品担当

ソール・スタインバーグ (1914〜1999)

天候条件

ワインラベルを見る
error: Content is protected !!